叙勲受章のタイガー・ジェット・シン 故郷に建てた「地下1階、地上2階」の大豪邸 (出典:東スポWEB) |
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2024/04/29 05:00
https://www.sanspo.com/article/20240429-DTED7TGIFNMVXJRG6E44EXUNJE/?outputType=theme_fight
政府は29日付で春の叙勲受章者を発表した。最高位の桐花大綬章は大谷直人前最高裁長官(71)に授与。別枠の外国人叙勲で、悪役として日本のプロレス界で活躍した元プロレスラーのタイガー・ジェット・シン(本名・ジャグジット・シン・ハンス)さん(80)に旭日双光章が贈られる。俳優の加藤健一(74)には旭日小綬章が決定。受章者は桐花大綬章1人、旭日章984人、瑞宝章3123人で計4108人。
トレードマークのターバンを巻き、口にくわえていた凶器のサーベルを観客にすら容赦なく振り下ろす―。まさに「インドの狂虎」の異名を持つ悪役レスラーとして、1970年代のプロレス界を震撼させたシンさん。旭日双光章の知らせに「日本の全てのプロレスファンに与えられた栄誉だ」と喜んだ。
80歳になっても眼光の鋭さは変わらない。日本プロレス界で故アントニオ猪木さんの最大のライバルと言われる。新宿で買い物中の猪木さんと乱闘を起こした〝襲撃事件〟はあまりに有名だが、「猪木が一番強かった」と振り返る。試合後は数週間も打撃の痛みが残ったという。さまざまな因縁があったが「過去のことだ」と意に介さない。
「日本の良い思い出ばかり」と目を細める。現金や貴金属が入ったかばんをホテルに置き忘れ、何も盗まれずに戻ってきたことがあった。「一生忘れない。誠実な人たちだ」と語った。
一世を風靡したヒールも、リング外では実業家の顔を持ち、在住するカナダで慈善団体を運営。2011年の東日本大震災に心を痛め、福島県で自宅を失った児童らに義援金を送った。「日本は第二の故郷。日本人は家族のような存在だからね」。
外国人レスラーとしては、17年に覆面レスラー「ザ・デストロイヤー」として活躍したリチャード・ベイヤーさん、21年に「千の顔を持つ男」ミル・マスカラスさんが叙勲を受章している。
■タイガー・ジェット・シン(Tiger Jeet Singh) 本名・Jagjit Singh Hans。1944年4月3日生まれ、80歳。インド・パンジャーブ州出身。65年、カナダでプロレスデビュー。73年に初来日。買物途中だったアントニオ猪木を襲撃したり、猪木にアームブリーカーで右肘を脱臼させられるなどリング内外で事件も起こした。トレードマークはターバンとサーベル。得意技はコブラクロー。悪役ヒールとして活躍し、全日本プロレスやインディー団体、ハッスル、IGFと渡り歩いた。リング外では実業家として知られ、茨城県つくば市にカレーハウスを経営、カナダに自分の名前を冠した高校を開校するなどの事業を展開。
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Source: 注目トピックスch